意味 |
トンネル掘削周辺の地山の応力状態や、掘削後支保工などに作用する荷重を総じて土圧(あるいは地圧、盤圧)という。山岳トンネルの施工中にみられる土圧現象(地圧現象)は、緩み土圧(緩み地圧)と真の土圧(真の地圧)に分けられるが、両者を明確に区別することは難しい。トンネル周辺地山の応力度が地山強度を越えると、塑性領域が発生し、このとき土圧現象を塑性土圧(塑性地圧)という。また、岩石の吸水による物理的な膨張や、化学変化の結果としての膨張により生ずる土圧を膨張性土圧(膨張性地圧)という。鉱山関係では、岩盤内応力を地圧、支保にかかる荷重を盤圧と使い分けることがあるが、最近では混同して用いられることが多い。シールドトンネルでは、鉛直土圧、水平土圧、抵抗土圧(底面への反力と地盤の変位置に応じて発生する側方の地盤反力)の三種が設定される。鉛直土圧としては、土被りがトンネル外径に比し浅い場合や粘性土地盤では全土被り荷重をとるが、一方、土被りがトンネル外径に比して深くかつ砂質土地盤である場合は、土のアーチング効果に期待して緩み土圧を採用している。水平土圧は鉛直土圧に側方土圧係数を乗じて求められる。開削トンネルでも、シールドトンネルと同じ三種の土圧が設定されるが、鉛直土圧には常に全土被り荷重が、水平土圧には静止土圧がとられる。なお開削坑の仮設構造(土留め壁や支保工)にかかる水平土圧としては、実測結果に基づき提案された Terzaghi-Peck や Tschebotarioff の土圧分布などが実用されている。
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